エンジョイワークス(神奈川県鎌倉市)は、空き家・遊休不動産の再生に特化したプラットフォームを活用した「カプセルヴィレッジプロジェクト」を2024年夏から開始します。今年秋に横須賀市の長井海の手公園ソレイユの丘に開設予定で、銀座8丁目「中銀カプセルタワー」の5つのカプセルを「泊まれるカプセル」として再生します。
1972年に建築家の黒川紀章氏が設計した集合住宅「中銀カプセルタワービル」は、2022年に惜しまれつつ解体されました。建物を構成していた140個のカプセルのうち、23個を「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」が黒川紀章建築都市設計事務所監修のもと、保存・修復。メタボリズム建築の象徴として注目されており、国内外の商業施設やサンフランシスコ近代美術館、和歌山県立近代美術館などで展示されています。
このほどスタートするのは、相模湾・富士山・湘南を望む横須賀市の「長井海の手公園ソレイユの丘」を舞台に、オリジナルカプセル5つを宿泊施設として活用する、世界で唯一「宿泊できるカプセル」として再生させるプロジェクトとなります。
中銀カプセルタワーは、1960年代の若手建築家から始まったメタボリズム(新陳代謝)という建築運動を代表する建築物で、細胞のように時代に応じて自在に移動・成長するというコンセプトがありました。今回、宿泊施設として生まれ変わるカプセルは、丸窓が特徴で幅2.7m×奥行4.2m×高さ2.55mの白いシンプルな箱となります。
開業に向けて、リノベーションするクリエイターの募集もスタートしました。これまでも2019年に無印良品がインテリアをコーディネートした「無印カプセル」や、ウクライナ人建築家のヴォロディミール・デレズニチェンコ氏がデザインしたカプセルがあり、今回のプロジェクトもアーティストや建築家、デザイナーなど、クリエイターや企業とコラボレーションし、作り上げていく予定です。
カプセルデザインの募集概要などは同社のウェブサイト(https://enjoyworks.jp/)で確認できます。